この本は授業補助のクラスの輪読テキストとして使っていたので興味を持ちました。偶然、隣席のMさんの本棚にあったので、無断でお借りして読みました。(ごめんなさい。)名著とよばれているだけあって読み応えがあります。文章自体も読みやすく訳されています。でも「通念」といった概念がわかりにくい語も使われています。
ガルブレイズは、前近代の「少数のお金持ち」と「大多数の貧乏人」の対立の構造から「少数のお金持ち」、「中間層」、「少数の貧乏人」の三層構造へと移っていくという考え方を示し、「貧困」が無視されるようになったと指摘しています。(彼は、自由競争の市場をつくるべきだと言っている経済学者が実は競争状態に置かれておらず既得権益にしがみついていると痛烈に経済学者を批判しています。)
これは、たとえば地震で被災した人には注目し寄付が集まるのに、通常の貧しい人たちには、政治家も中間層も、なかなか目を向けていないといった感覚に似ています。「ゆたかな社会で貧しくあること」と「貧しい国で貧しくあること」とでは、どちらがましなのでしょうか?と問いを立てているけれど、
この答えは難しいです…。
「貧困が至るところにみられても、われわれが貧困でないことはあきらかである」の気になる一文があるように、結局のところ自分の置かれている立場(親に扶養されている)が貧困状態にないのでわからないのが正直なところです。